著書【作れ!音デバイス】について

著書「作れ!音デバイス」の発売がいよいよ来月頭、発売までの
カウントダウンが始まりました。
 
せっかくなので、この本について書いておこうと思います。
サウンド編に込めた思いはいずれ、どっかでtoucyyくんが話して
くれるはずなので、ここでは僕が担当したコントローラー編に
ついて。
 
最初に大前提として、コントローラー編は「これを買って読んだら
面白い音デバイスが作れる!」という最近良くある内容の本では
ないです。そう思って楽しみにしていた方、ごめんなさい。
 
僕のことをご存知の方は分かるかと思いますが、僕はアーティスト
でもクリエイターでも作家でもミュージシャンでもありません。
なるべくかっこつけて言うならエンジニアです。もう少し噛み砕く
と、ただのレイテンシー馬鹿です。
 
そして、僕にはアイデアで皆さんをあっと言わせるような才能は
ありません。こればっかりはどうにもなりません。
 
まっ、飲みながら無駄話をしていて何か思いついちゃうことくらいは
ありますけどね。
 
そんな僕なので、付け焼き刃の、ありきたりなアイデアでページを
埋めることは出来るはずありません。
 
「じゃあ、この本には何が書いてあるんだ?」
 
とお考えになると思います。この本で僕が書いたのは、
 
「PICnomeやPICratchBOX、DORAnome、PICrouterと言った
僕が開発した音デバイスと同じクオリティの音デバイスを作り
上げるために必要なノウハウ」
 
です。僕がこれらの音デバイスを開発しながら悩み、試行錯誤し、
色々な人や、ネットでの情報にお世話になりながら学んできたもの
です。知っている人は知っている、けど、どこにもまとまって
いない。そして、「これ買えばとりあえず・・・」な本にはそんな
踏み込んだ内容は書いてありません。
 
「とりあえず、動かしてみる」ということは重要な事です。本を読み、
知識として取り入れるだけで無く、自分の手を動かし、そこから生じた
現象に目を向けることが第一です。しかしどんな分野でもそうですが、
そこから先へ進むためには基礎の有無重要になってきます。基礎を
軽視すると、目の前で起きている現象に対して、正しい対処が出来ず、
問題を解決することが難しくなったり、無駄な労力を使うことになります。
それを踏まえ、コントローラー編では徹底して基礎に徹しています。
 
ですので、すでにArduinoなどをいじっていて、自分自身で何らかの
アイデアがある。そして、それに磨きをかけたいと思っている人が
この本を手に取れば、きっとPICnomeやPICratchBOXと同等の
レイテンシーで操作可能なフィジカルを犠牲にせず、アーティスト
ミュージシャンの足枷にならない、片腕になり得るものを作れるはずです。
 
また、もし、これから電子工作や音デバイスの開発、アート作品
製作を始める方にとっては、最初は他のアイデアに溢れた本とともに、
読んで頂ければ、それらを洗練させるためのしっかりした基礎固め
が出来ると信じています。
 
さらに、この本では参考文献を出来るだけ多くの書籍を載せおきました。
この本を読んで疑問を持ったり、別の興味が湧いたときに参考文献を
辿っていけば、ある程度は迷子にならずに良書にたどり着けるでしょう。
 
もちろん迷子になって色んな本を読むことも重要なんですが周りに
詳しい人もいない場合には、何が駄目な本か気づけない場合あります。
そんなときの道しるべにもなれるよう心がけました。
 
是非とも、本書を宜しくお願い致します。
 

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