DMMの3Dプリンティング・サービスはアクリルやナイロン以外にもシルバーや
プラチナ、チタン、ステンレスの造形も可能。というわけで早速作ってみました。
練習中のAutoCAD Inventor LTで作った3Dデータはこちら。
よりも後にオーダーしたのに、手元に届いたのは、このチタンの指輪でした。オー
ダーしてから中1日。すごい時代になりましたね。
で、上の写真は色々手を加えた後のもので、届いた直後は次のような感じ。
ネジは事務所にあったものを取り付けてみてます。
DMMの素材説明のところに書いてありましたが、予想していた以上に表面が
ザラザラとしていて光沢が全くなく、言われないとチタンかどうかも分からない
オモチャっぽいというのが手に取った第一印象でした。
また、上の写真のようにネジとナットを取り付けてカスタムできるようにと3箇所
φ3.2mmの穴を開けたんですが、この穴も若干歪んでおり、M3のネジが入らない
状態で、写真では分かりませんが、穴の中心位置もややずれています。
加工精度を考えると、1mm以下の溝を掘ったりするのは避けた方が無難です。
細かい部分も1mm以上でメリハリのある形状の方がいいかも。
という感じで現状で金属の造形は、まだまだかぁ・・・と思いましたが、大事な
ことを忘れていました。それは、
「3Dプリンタはイメージを完成品として届けてくれる魔法の箱ではない」
ということです。ようするに、これを完成品だと思わず、設計を第1工程とした
場合、第2工程に過ぎないと考えれば良いわけです。
穴にネジが通らない?だったら、丸棒ヤスリで削ってあげれば良いだけです。
チタンにドリルで穴を開けようと思ったら、うちの機械じゃ開けられないけど、
ちょっと削ってネジを通すくらいなら出来ます。それだけでありがたいんです。
表面の質感がザラザラで光沢が無い?だったら、まず60番くらいの荒い紙ヤスリ
か、棒ヤスリでガリガリと削ってから、200~300番台のもので再度磨き、仕上げで
磨き粉を付けた布で磨けば良いんです。んが、さすがにこれは指先でチタンの堅さ
を実感するはめになるので、特に序盤はサンダーとか使った方が良かったと思い
返しました。
で、この第2工程を施したリングがこちら。
今回は指輪の片側部分だけ重点的に磨いて光沢を出して、もう片側はそのまま
の質感を残してあります。これをネジ&ナット・カスタムすると
こんな感じです。ゴツゴツ感が増して、ボリュームのあるリングが好みの
自分としては気に入っています。
最後に、Inventor LTの3Dデータではリングに雄ねじをつけたんですが、
STLやIGESに書き出しすると、雄ねじ部分は単なる円柱になってしまい
ました。どうやら、ねじ切り部分はモデリングされない仕様のようです。
確かに、部材の加工を外注するときは、「図面のφ2.4mmの穴はφ3mm
でタップ切って下さい」と注釈か口頭で伝えるのが普通で、わざわざ
図面のネジ部分を描くことしない事の方が多かったりしますしね。
本当はここにもナットを取り付けられるようにしたいと思っていたんですが、
出来上がりの加工精度ではねじ切りは無理なので逆に良かったと思ってます。
と言うわけで、シルバーなどのロストワックス工法で作るものの精度と質感
は分かりませんが、チタンとステンレスに関しては、手作業での仕上げ処理
が必須かと思います。仕上げの磨き処理の経験や知識のある方はさくっと
終わらせる事が出来ると思いますが、私のようにそうでない人は、空いた時間
にちょっとずつ磨いていって、アクセサリーを自分好みに育てていくような
つきあい方をしていくと楽しいんじゃないかな?っと思います。
色んな材質で造形してみると、それぞれに特徴があり勉強になります。
さて、明日はナイロンのケースと、アクリルのフェーダー・ノブが届きます。
こちらも楽しみです。
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